外反母趾
なんか足の親指が内に入ってんのに何で外に反する母趾なのか。それに趾って漢字なんて日常生活じゃ見ないしあんまり使わない。
そんなことを私はまず思ってしまう。
いや、なんか今日は外反母趾の人が多かったので。
もちろん、それだけで患者さんは私を呼びはしない。膝とか股関節とかの痛みとか腰痛とかで呼ぶわけなのだが、そういった症状が緩和されるとやはり「別のところも・・・」と患者さんは言ってくる。
時間があれば出来るだけ見るようにはしてあげるが、幸いなことに最近は時間の余裕がある時が多い・・・ってそれは患者さんの数が少ないだけ、という気もするのだが、『今なら予約も入れやすいので京都の方どうぞお気楽お気軽にどうぞ』などと脱線している場合ではない(宣伝ノルマ達成)。
しかしこの外反母趾は、実は「別のところ」のカテゴリーにしてしまってはいけない、他の部分の症状と関連して・・・というか必然的になってしまっている側面がある。
外反母趾の原因についてはこの場合さておく。やれ靴下等を履いているため足の反射が云々、ヒールを履くから云々、遺伝的要素とか言われても痛みそのものはそこにあって、そして痛みから解放されるのを待っているのだ。故にその辺は語らない。
ここでは外反母趾が「別のところ」のカテゴリーにしてはいけない、無視してはいけない理由を書いていこうと思う。
まず、外反母趾になると歩き方がおかしくなる。何しろ痛いし関節炎で腫れているので、自然とかばうような歩行になり、歩き方に変調をきたした結果、足の親指だけでなく、足の裏も痛い、膝にも負担がかかっていつの間にか膝関節症になってそちらも痛い、半月板(よく言う膝の軟骨)も痛んだり、腰にも負担、痛いところが増えたりする。体型も崩れたり、早く動けなくなったり・・・と、思いつくだけでも沢山出てくる。若いうちはまだいいが、年齢を重ねると、転倒しやすくなるというデメリットもあります。
外反母趾は骨の変形、脱臼様のズレ、関節の石灰沈着による癒着変形などを起こしますので、重症化した場合、元の足の指の形に戻すには手術等の外科的な方法以外は難しいのです。
故に、早めの治療が望ましい、と言うわけです。
ただの足の指、と思わず、大事な歩くために重要な指であると認識して、放置しないでください。
と、言っておきましょう。